そもそも車検とは?

自動車に乗っている方で「車検」を知らないという方は、恐らくいないと思います。
実際に車検を受けたことのある方はもちろん、もうすぐ車検をひかえている方にとっても、「車検」というのはクルマを所有している方にとっては一大イベントではないでしょうか?

無ければ良いと思っているか、無くてはならないと思っているかは人それぞれ。
どちらにせよ大きな出費であるので、無ければ良いなと考えている方がほとんどだと思います。

ですが、
故障やそれによる事故、ケガなんてごめんだから、そうなる前に点検という意味で車検は無くてはならないものだ、と考える方もいらっしゃいます。

それに、私のようなクルマ関係で生活している場合、車検が一切無くなってしまうとしたら・・・考えただけで悲鳴をあげたくなる人々もまた大勢います。
そういうわけで、多くの人のいろんな思いがある車検について以下の4つの項目を2回にわたって考えてみたいと思います。

  • 車検の流れ
  • 車検の有効期限
  • 受け方の種類とユーザ車検
  • 車の運行要件と車検

車検の流れ

ユーザー車検(代行も含む)はまだまだ少数派だと思います。
ではそれ以外のごく一般的な車検はどのように行われているのでしょうか?
あなたが整備工場さんなどで車検を依頼した場合のおおざっぱな流れとしては以下の通り。

受   付 車検に必要な書類を整備工場に提出します。
車検整備 保安基準に適合するように、もしくはこの先適合しなくなる可能性のある箇所の整備。
完成検査 主に公道で走るのを想定した箇所の検査。

(以上のこまかい説明は別の項を参照)

このようになっています。
完成検査は陸運局で行い、これらに合格して新しい車検証とステッカーをもらいます。また、完成検査を陸運局で行わず、当社のように自社で検査が行える指定整備工場などもあります。

車検の有効期限

そもそも車検という言葉、一体なんのことでしょう?
国語辞書に載ってるんですねー、それによるとしゃけん 「車検」・・・(自動車の)車体検査(証)。とあります。まあ予想通りの答えでアレなんですが、つまり車体の検査のことなんですわ。

自家用乗用自動車と軽自動車はご存知のように2年に1度、クルマを検査しないと道路を走ってはいけませんよ、と法律で決められているのです。
2年に1度ですから、前に受けたのはいつだったかすっかり忘れている方も時々いらっしゃいます。

もし車検が切れたままだとしたら大変ですから、自分のクルマの車検が何年の何月ごろに切れるのか、というのは1度確認しておいたほうがよいかもしれません。

確認の方法はクルマのフロント・ガラスの中央・上あたりに貼ってあるステッカーを見るというのでもカンタンに確認できます。何年何月と日付が書いてあるので分かるはずです。ですがクルマの中に入っている車検証を見たほうが、より確実に何年、何月、何日まで分かります。ですからその日までに車検を受ければよいわけです。

受け方の種類とユーザ車検

車検とひとくちにいっても、いろんな受け方というか種類があります。
それらの種類の中から自分に合った車検を受ければよいわけです。
値段重視の人、完璧整備じゃなきゃイヤな人、友人・知人におまかせな人、自分で受ける人、全く無頓着な人などそれぞれです。

平成7年の法改正によって自動車業界は大きく様変わりしました。

私は当時、学生でしたのでよくわかりませんが、それまで閉鎖的で法にがんじがらめになっていた自動車業界に一気に規制緩和の波がおしよせて、今までの方針や経営のやりかたなどを今一度、整理する必要にせまられたのです。

具体的にいうと定期点検の一部が廃止され、ユーザーに日常点検を強制することによってクルマの自己管理は自分でするという体系に変わりました。
そして前検査・あと整備も認められ、ユーザー車検も生まれました。

ユーザー車検の誕生は自分1人でも車検が受けれると脚光を浴びました(必要な書類を揃え、クルマが保安基準に適合していて検査に合格すればの話ですが)。
ですから、とにかく安く車検を受けたい人、自分でクルマのメンテナンスをこなす人、興味のある人などが特に利用していると思います。(GSなどであなたの代わりにユーザー車検を代行してくれる業者もいます。)

メリットは以上のようなことがありますがデメリットとしてはやはり「車検を通すだけ」なので、車検後のクルマのトラブルは起こるかもしれません。

検査をしてそれに合格しているのにナゼ?と思う方もいると思いますが、完成検査で見る範囲にも限界があるからです。
それならもっとしっかり検査しろ!と思うかもしれませんが、いちいちタイヤを外して、ブレーキ廻りやエンジン・ルームをくまなく見ていたのでは、車検整備と変わりません。1日に何百台という数のクルマをさばくわけですからムリだと思います。検査の内容は別の項を参照してください。

車の運行要件と車検

自動車は、国土交通大臣の行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならないことになっています。
(法第58条)

自動車を運行の用に供するためには、さらに、次の要件を満足させる必要があります。

自動車登録ファイルに登録を受けていること。(法第4条)
封印の取り付けをした自動車登録番号標及びこれに記載された自動車登録番号を見やすいように表示していること。(法第19条)
自動車の構造及び装置並びに乗車定員若しくは最大積載量が道路運送車両の保安基準に適合していること。(法第40条ー第42条)
自動車検査証を備えつけていること。(法第66条)
自動車検査標章を表示していること。(法第66条)
※自動車は軽自動車、2輪の小型車及び小型特殊自動車を除く
※法=道路運送車両法

と、このようになっていますが、なんのことだかチンぷんカンプンだと思います。
分かりやすく言うと次のようになります。

登録を受けている事というのは、ナンバーがクルマに付いていれば登録されていることになります。
自動車登録番号標=ナンバー・プレートのこと。
ナンバーの文字(岐阜500 た 9090など)が見やすくクルマに取り付けてあって、後ろのナンバーには封印がしっかり付いてればOK。
違法改造車でないこと。
自動車検査証=車検証がクルマの中にあればよいです。
コピーしたものは原則的にNG。
自動車検査標章とはフロント・ガラス中央に貼ってある4角のステッカーのこと。
見やすいように貼ってなきゃダメ。
※自動車は軽自動車、2輪の小型車及び小型特殊自動車を除く
※法=道路運送車両法

まあ、長々と書きましたがディーラーさんや中古車屋さんなどで購入したクルマなら以上の要件は全て満たしているはずなので問題はありません。
ですが車検証にも有効期限があって、この有効期限が切れたクルマは一般公道を走ることができません。

つまり、車検証の有効期限が切れる=車検が切れるということです。
自家用乗用自動車ならば2年乗れば条件が満たされなくなるので、あと2年このままクルマを乗りたいなら検査を受け、有効期限の更新された車検証と検査標章を手に入れなければいけません。それが車検なのです。

TOP